トレーニンググローブとひとくくりに言っても、デザイン・形状・機能の異なるものがたくさんあります。手首のベルトが長かったり、手のひらのパッド分厚かったり、布地が手のひらの半分しかなかったり、などなど…
「なんでここまで違いがあるのか?」
理由はトレーニング内容・種目によって、グローブに必要な機能が違うからです。この記事では、トレーニングごとのグローブの適性を紹介します。どんなトレーニンググローブを買うかで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください!
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目次
ベンチプレスにはパッド&滑り止めのあるトレーニンググローブ
IPF(国際パワーリフティング協会)主催の公式競技会ではグローブが着用できないため、グローブ無しでベンチプレスを行っている人が多いです。しかし、ベンチプレスは高重量を手のひらで受ける競技のため、グローブを使わないと痛みを感じたり、皮膚が角質化してボロボロになってしまいます。
競技会に参加するため、素手でバーを握る感覚に慣れたい方でなければ、グローブ着用がおすすめです。痛みや傷を気にせず行えるうえ、グローブの滑り止めでグリップを強化できるため、トレーニングとしてのベンチプレスのクオリティが向上します。
手のひらに痛みを感じる重量を扱うならパッドの厚いグローブ
手のひらは神経が集中しているため、バーベルを支える場所によっては強い痛みを感じるかもしれません。
実際私も、ベンチプレスで120kgを超えてくると、手のひらにキリキリとした痛みが走ります。
我慢できないほどではありませんが、バーに当たるスポットがズレると激痛になることもしばしばです。
手のひらの痛みが気になる方は、バーの重量を和らげるパッドの厚いタイプがおすすめです。パッドで少し重量が分散されるだけで、痛みがかなり抑えられます。
また、ベンチプレスは高重量になるほど、手首への負担が大きくなるので、リストラップを1組用意しておきましょう。リストラップは手首をガチガチに固定できるため、手首の痛み・怪我を防ぐことができます。
グローブとの併用もできるため、高重量のベンチプレスが快適になりますよ。
リストラップの詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
ワイドグリップのベンチプレスには、滑り止めのきくトレーニングローブ
ベンチプレスのグリップは、手幅が広いほど挙げやすくなりますが、ワイドになるほど上腕が開くため手が外側に滑りやすくなってしまいます。
特にバーベルの滑り止め(ローレット)の形状によっては、素手だとまともにグリップできない場合もあります。
手が横滑りすると、手首や腕の角度が不安定になりバーベルに上手く力が伝わりません。また、肩への負担も大きいので怪我の原因にもなります。ベンチプレス中に手が横滑りする方は、滑り止めのしっかりしたグリップのきくタイプがおすすめです。
スクワットにはリストラップ兼用タイプのトレーニンググローブ
バーベルスクワットは、バーベルを肩甲骨あたりで支えるため、手のひらへの負担は大きくありません。
しかし、低い位置でかつぐローバー・スクワットだと、バーベルの位置が背中寄りになるため、支える手首に負荷が集中してしまいます。
そのため、スクワット用には手首を保護できる、リストラップの付いたグローブをおすすめします。巻き付けた布地が手首を固め、負担を和らげてくれるはずです。
デッドリフト/チンニング(懸垂)にはグローブよりパワーグリップ
デッドリフト/チンニング(懸垂)など、負荷の高いプル(ひっぱり)系種目には、トレーニンググローブよりパワーグリップをおすすめします。
背中を鍛えるプル系は、自分の身体に向かってひっぱる動作をする種目です。バーベルやダンベルを握る力に対し、垂直に負荷がかかるため、握力への負担が大きくなります。
特にデッドリフトなどは人によっては超高重量を扱うため、背中の筋肉より先に握力が消耗してしまい、充分に追い込めなくなってしまうケースもあるようです。
パワーグリップは、握力補助がメインのトレーニングギアで、
リストバンドに付いたベロで、バーを巻き込むように握ることで、重量を前腕に分散させ自前の握力をほとんど消耗させずトレーニングできます。
プル系種目との相性が良く、人によっては「パワーグリップ忘れたから、今日は背中トレーニングは中止」となるぐらいです。握力の補助はもちろん、バーをベロで巻いて握るため、手のひらの負担も軽減できるので、デッドリフト・チンニングなどのプル系種目にはグローブよりパワーグリップをおすすめします。
パワーグリップの詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
ダンベル用には滑り止め&薄手タイプのトレーニンググローブ
ダンベル用のグローブは人によってかなり意見が分かれるところですが、個人的には滑り止めがしっかりしていて、薄手タイプのグローブがおすすめです。バーベルと違いそこまで高重量にならないため、手のひらにパッドがないタイプでも問題ありません。
握力を消耗させない薄手タイプ
ダンベルトレーニング用のグローブは厚すぎるタイプは避けた方が良いでしょう。生地の厚いグローブは、衝撃吸収力が高い反面握力を消耗しやすいです。
野球ボールなど手の内におさまるものは、あまり力を使いませんが、バスケットボールなどは手の大きさはもちろん握力が強くなければ片手で保持するのが難しいです。つまり、握力は握る対象が太く大きくなる程消耗しやすくなります。
生地の厚いグローブは、生地の厚み分グリップが太くなってしまうため手が疲れやすいです。ダンベルトレーニング用には、握力の消耗が少ない薄手生地のグローブが良いでしょう。
ダンベルを自由に動かすにはグリップが重要
ダンベルは、縦・横・斜めと自由自在に動かせることが大事です。そのためには手のひらとの一体感がポイント。ダンベルのバー部分を、手のひらにピタリと固定できれば、軌道が安定し狙った筋肉に負荷をのせられます。
逆に、ダンベルを動かすたびに手の内で滑っていては、指・手首など前腕より先に意識がもっていかれ、トレーニングに集中できません。
グリップの強い滑り止めのしっかりとしたグローブは、バーの遊びを最小限に抑えられます。また、滑らないことで握力消耗が避けられ、狙った筋肉をしっかりと追い込めるはずです。
マシントレーニングには通気性の良いトレーニングローブ
トレーニングマシンのグリップは樹脂などでカバーされているため、手のひらへの負担は少ないです。
マシントレーニング用にグローブを用意する必要はありませんが、あえて使うなら通気性の良いグローブをおすすめします。着けっぱなしでも不快感のない、熱のこもらない、布地の少ないハーフパームタイプなどが快適です。
ただし、布地の少ないグローブは、ウエイトが重いとズレる場合があります。扱う重量に応じて布地の多いグローブを選んだ方が良いでしょう。
100均グローブはホームジムでのトレーニング用に使える
「トレーニング専用のグローブじゃなくて、100均グローブの適正はどうなの?」
と考える人のため、ダイソーの手袋を何種類か購入し、トレーニングで試してみました。
トレーニング用にデザインされたグローブと比べ、機能や耐久性では劣りますが、滑り止めの性能は悪くありません。100均グローブ全部が使えるとは言えませんが、モノを選べばホームジムでのダンベルトレーニングなどに充分使えます。
詳しくは、こちらの記事をどうぞ。
ダイソーの100均グローブはトレーニング用に使える?
個人的には100均のグローブより、ワークマンのグローブがおすすめです。価格は500円~で、作業用ではありますが、デザイン・グリップ・耐久性・通気性に優れています。
余裕がある方はトレーニングによって使うグローブを変えてみるのもおすすめ
以上、トレーニンググローブのトレーニングへの適性を解説させていただきました。
トレーニングローブは製品ごとに特性があるため、得意とするトレーニングも異なります。全てのトレーニングごとに異なるグローブを用意する必要はありませんが、合うグローブを用意すればトレーニングのクオリティを高めてくれるはずです。
まだトレーニングにグローブを使ったことのない方、手のひらや手首の痛みなどがボトルネックとなって記録の伸びない方は、ぜひ1度トレーニンググローブを試してみてください。
こちらの記事に、トレーニンググローブのおすすめメーカーをまとめました。グローブ選びの参考にどうぞ。